「よかったら田中くんと一緒に来て?」 そう言って渡された結婚招待状。 目の前には幸せそうな笑顔を振りまく吉田先生。 でも… 「ごめんなさい。私、行けないです」 私には宙がいる。 もう、宙のことしか見ないって決めたから。 「…残念…でも、気が向いたら来てね。まだ2ヶ月もあるから」 「…はい」 行くことがないであろう結婚式に、軽く頷いて招待状を受け取ると、 「じゃあ、私は失礼します」 深々と頭を下げて走って教室に戻った。