真田にバトンを渡したあと、練習のときには見せなかった驚愕のスピードで3年を追い越し、見事1位でゴールしたのだ。 「ま!俺のおかげでもあるが、コイツのおかげでもあるんだぜ!」 そう言って肩に強引に手を回してくる真田。 「お前暑苦しいんだよ」 なんて口では言っているが、実際は嬉しい。 顔がついつい綻んでしまう。 「あれ?北高1年揃ってるカンジ?」 頭上からいきなり声が聞こえる。 この声……聞いたことあるぞ。 そう。俺の大嫌いなアイツの声だ。 「坂田先輩」 見上げるとやっぱりアイツだった。