「もしかしたら、爽太が傘持ってるんじゃない?」


「うーん。今日も朝一緒に来たけど、持ってなかった…。」



きっと爽太も、傘は持っていないはず。


もし帰りの時間までこのまま雨が降りつづけていたら。


今日も一緒に帰るから、2人でずぶ濡れで帰る羽目になっちゃう。


帰りには雨が止んでいることを祈るしかないね。



「あ、そういえば咲!今日、委員会じゃん!」


「え?うそ!」



佳奈が思い出したように、ハッとした顔であたしにそう言った。


…今の今まで知らなかったよ、あたし。


もうすぐテストなのに、委員会があるの?


おかしいよ、早く帰らせてよ〜!


まあ…早く帰ってもそこまで勉強しないと思うけど。


それでも早く帰りたくて駄々をこねるように、足をバタバタとさせた。