佳奈の目の前に立ち、俺は後頭部をガシガシとかいた。
そして眉をひそめ、片目を細めて佳奈を見下ろす。
見下ろした佳奈の表情は…なんだかすっげぇ楽しそうだ。
「なんなんだよ、佳奈。もー授業はじまるだろ…」
「まあまあいいじゃない!聞かせなさいよ、昨日のこと!」
「昨日のことって…特になんもねえんだけど…。」
「うそつけ〜!顔がにやけてる。」
いやいや、そう言う佳奈。
お前の顔の方がな?
にやけすぎだっての。
さっきからやべえよお前の顔。壊滅的。
とても女子とは思えないくらい…鼻の穴広げてニヤニヤして…。
自分で言って思わず吹き出しそうになったけど、堪えて口にも表情にも出さなかった。



