「…げっ、…佳奈じゃん。」
隣の咲と同じクラスの佳奈が、教室の入り口から俺を呼んだみたいだ。
俺を見て、“こっちきて!”と言わんばかりにぶんぶんと手を動かしていた。
佳奈の表情は、なんか…目がギンギラギンに光っていて鼻の穴を広げて…興奮してるようだ。
…怖ぇなあ、なんなんだよ…。
行きたくねぇけど、ここで変な態度をとると佳奈から遠慮なしの拳が降ってくる。
…あいつ、ああ見えてかなり力が強いから俺が再起不能になりかねない。
それは避けたい。
なので、自分の席から離れ、仕方なく佳奈のもとへ歩いていく。



