「ふわあ…。」 次の授業、化学だったっけ…? あくびをしながら、教室の黒板の横にある時間割表に視線を移すと、化学のふた文字が目に入った。 …あー、俺の一番嫌いな教科だ。 この時間は寝よう。 授業が始まる前から、化学をサボるつもりで机に突っ伏したそのとき。 「____爽太!」 机に突っ伏していたので声しか聞こえなかったけど、誰か…女に呼ばれた。 …なんだ? ぴくりと肩を反応させる。 そしてゆっくりと顔を上げて、声がしたほうに目線を移した。