「ね、ねえ爽太、今日の体育の授業大丈夫だった…?!」


「は、体育??なんの話だよ?」


「爽太、サッカーボールで頭打ったんじゃないの…!?大丈夫?」


「…打ってねぇよ。どんな勘違いだよ。」


「ええっ?!」



か、勘違いって。


てっきりボールのせいで爽太がおかしくなっちゃったんだと思っていたのに。



「咲…今日は俺が一緒に帰ってやる。ついてこい!」


「え、ええ?あたし、ひとりでも帰れるけど…。」


「どうせ俺ら家近いんだから、いいだろ。行くぞ!」


「わっ!」



有無を言わさず、あたしの腕をぐいっと引っ張って歩き出す爽太。



「??」



あたしは頭の中にはてなマークがたくさん浮かんだ。


何が目的なんだか…さっぱりわかんない。


とりあえず、下駄箱で上靴をローファーに履き替えて、爽太と昇降口を出る。