「…咲。また、明日な。」
様子を窺うようにあたしの顔を覗き込んだ爽太の表情は、少し曇っていた。
いつもあたしを、門まで送り届けてくれる爽太。
またあしたね。って、言えない。
…あたし…今、ひとりになりたくない。
また、さっきのことを思い出しちゃう…。
「…じゃ。」
爽太、行かないで…。
あたしに背を向けて歩いていく爽太を、無意識に追いかけた。
勢いで、爽太の背中に飛びつく。
「爽太…っ」
「うわっ!?」
突然のことでビックリしたのだろう、爽太はよろめいて傘を地面に落とした。
まだ雨は降っているから、あたしたちの体は少しずつ雨によって濡れてきてしまう。
でも、そんなのはどうでもよかったんだ。



