ただの幼なじみじゃいられない!




でもここで、泣いちゃダメ。


ヒロに…こんな人に涙を見せたくない。


爽太に迷惑かけたくない。


あたしは涙を堪え、みんなから見えないように俯いた。


体がほぐれたような気がしたのに、不思議とまた体が強張って…震える。



「…お前みたいなやつに、咲の良さがわかるわけねえだろ。二度と、咲に近づくなよ。」



え…?


爽太の発言にびっくりして、思わず顔を上げ爽太を見上げる。


爽太は無表情で、ヒロに対してどこか呆れたように声を発した。


ヒロよりも少し背の高い爽太が、鋭い視線でヒロを睨みつけた。


あまりの迫力に、ヒロも少し怯んだ様子だった。


ヒロの返事を待つ前に、爽太があたしの腕を引っ張ってその場から立ち去った。


ヒロがそのあとどういう表情をしていたのか、どんな反応をしていたのか、それはわからない。


…わからなくて、いいや。


校舎を出て、雨の降るいつもの通学路を二人で歩く。


爽太はあたしのことを、傘の中へ入れてくれた。