「…お前、咲に何の用だよ。」
隣の爽太が、ヒロに向かっていつもよりも低い声を発した。
まるでいつもの爽太じゃないような、そんな恐ろしさを感じた。
爽太は制服のセーターの裾を掴んでいたあたしの手をぎゅっと優しく握ってくれて。
あ、あったかい…。
今さっき発した声からは想像できないほど、優しい温もりだった。
爽太の温もりを感じて、強張っていた体が少しほぐれた気がする。
「別に用なんてねえけど?それより新居。お前、こいつと付き合ってても面白くねえぜ?」
「……っ」
いきなり、なんてことを言い出すの…?
…嫌だ。
やめて。
「まあエッチんときはそそられるけど、それ以外はつまんねえし、最悪。」
やだ…!!!
最低だよ、ヒロ。
こんなところで…爽太の前で変なことばかり言わないで…!!
あたしは、耐えられなくなって目をぎゅっとつぶった。
そうでないと、今にも泣いてしまいそうだった。



