ただの幼なじみじゃいられない!




今のうちに帰ろうってことになって、あたしたちは下駄箱へ向かって歩き出した。


廊下の地面は湿っぽくて、上履きからキュッキュッと音が鳴る。


あたし、この音があまり好きじゃないんだよねぇ。


本当、梅雨はいやだぁ。


まだ委員会を行ってる教室が多いからか、生徒とはほとんどすれ違わず、学校内は比較的静かだった。


あたしたちは廊下で大きめの声で話してしまったけど、幸いあたしたちの教室の階は委員会で使われていなかったから、セーフ。


爽太とともに廊下の突き当たりを右に曲がって階段を降りようとすると…。



「アッハハ!やだ〜ヒロったらぁ♡」



階段の下の方から聞こえる甲高い女の子の声。


彼女が呼んだ“ヒロ”の名前にビックリして、目を見開いた。


そして、肩が強張った。


まさか…。