「…2人ともごめん。ちょっと、ここでまってて!」
すると何かを思いついたような表情をした佳奈が、あたしたちを置いて教室の中へと入っていった。
どうしたんだろう?
ん?なんか、佳奈がスマホを耳に当ててる。
誰かと電話してるのかな?
あたしが首を傾げて教室の向こうの佳奈を見つめていると…。
「なんだ?佳奈のやつ。ていうか咲、お前傘持ってなかったのか。」
「う、うん…でも爽太も朝、持ってなかったよね!?」
爽太が扉のガラス越しに見える佳奈を一瞥したあと、あたしを見下ろしてそう言った。
そうだ、爽太ってばなんでしっかり傘なんて持ってるんだろう。
「置き傘だよ、置き傘。」
「…そうだったんだ。」
ちゃっかり置き傘なんてしてたのかぁ。
あたしも今度から傘、置いておこうかな…。
折り畳み傘でもロッカーに入れておけば、こういうときに困らないよね。



