気づいたら、病院にいた。


私はそこで、記憶喪失になっている事を知った。


・・・もう4ヵ月たつのか。


私を育ててくれている人達は、私がどうしてこうなったか知っているらしい。


教えてくれないのは、ショックが大きいから本人が思い出さないとストレスで何かあるかもしれないから。


・・・今のところ、全然思い出してないんだよね。


知りたい。自分がどんな人だったのか。


家族や友達の事も。


「七海~!ご飯運ぶの手伝って~!」


「は~い!」


今、私を育ててくれている人はとてもいい人。


そしてこの街もいい街。


少し田舎だけど、夜に空を見れば星が見えるし、自転車でちょっと行けばほぼ何でも揃ってるショッピングモールがある。


・・・前の街はどんな街だったんだろう?


親からは、私が昔住んでた街は違うところだって聞いてる。


「これとこれ運んでね。」


「うん。」


お皿を持ってリビングへ行く。


リビングへ行くと、お父さんと犬のマロンが仲良くテレビを見てた。


「もうすぐご飯だよ~。」