だから…口が勝手に開いたんだ。



「……こちらこそ、よろしく」



「えっ…それって、オッケーってこと?」



菜実が黙ってうなづくと、



「やったっ…!」



有馬は片手でガッツポーズをした。



「えっ…?」



「あっ…いや…」



「ぷっ…」



「駅に着いたら、連絡先教えてっ」



「うんっ、分かった」



そして二人は再び歩き出した。