リナリアの王女

 「試練の資格・・・」
『はい。エリーゼ様も国王になる為の試練はご存知ですよね?』

「ええ。運命の相手を見つける事、ですよね?」
クラウドからはそう聞いている。
そしてその相手が私なんだと。

『実はその運命の相手を見つける方法はその人それぞれなんです。前国王様、クラウド様のお父上は直感で奥様を見つけたそうですから』

『クラウド様の場合、それが“夢”だったんですよ』

「夢・・・」

そこまで聞いて私にはある答えが浮かんだ。

昔から泣き虫で、ピアノを弾いていた娘。そんな女の子は沢山いるだろう。
だけど・・・。

『まさかそんなに早くに試練の資格を得ているなんて思ってもみなかったので、驚きましたが、これで次期国王はクラウド様で決まったも同然だと喜びました』



クラウドに初めて会った時に泣いてしまった私に彼は何て言った・・・?
彼は確か・・・。





「それってまさか・・・」