リナリアの王女

 『そこで仕方なくクラウド様にどんな方なのか尋ねる事にしたんです』
会えないのならばクラウド本人から聞くしかないもんね。

『クラウド様はこう仰いました。「あの娘は泣き虫なんだ。だから僕が守ってあげるんだ」と』

僕が守ってあげる

守ってあげたいと思える娘だったんだ。
きっと可愛らしい娘だったんだろう。
小さい頃の初恋だ。
淡く抱く恋心。
誰にだってそういう時期はあるだろう。
私にだってあったはずだ。

『結局泣き虫な女の子だという事しか分かりませんでした。ですから聞いたのです。どこで会ったのか、と』
そう、問題はそこだろう。
いくらクラウドがまだ国王になる為の試練を迎えていないと言ったって、次期国王候補の皇子なんだ。
しかも幼い頃に自分一人で出歩ける所なんてたかが知れているだろう。
「それでどこで会ったんですか?」

『それが、クラウド様もお会いした事はないと仰ったんですよ』
「会った事がない・・・?」







『ええ。「僕はその娘には会った事はない。“見て”るんだ」と』