リナリアの王女

 「クラウドの初恋・・・」

これが女の子同士だったら一番盛り上がる話しの内容だろう。
だけど、好きな人の過去とはいえ初恋の話しを聞くのは少しばかり複雑だ。
もうその人に対して感情は一切ないのか、それとも次期国王となる立場を理解したからこそ諦めたのか、色々考えてしまう。
『ええ。やはりお話しするのならばクラウド様の初恋のお話しが一番良いでしょう』
グレンさんは自分の中で納得してしまい、クラウドの初恋について聞くことになってしまった。

『今でこそ次期国王としての品格も出てまいりましたが、小さい頃は何かあるとすぐ泣いて私の所に来るような子だったんですよ』
「クラウドが泣き虫だったの?」
想像つかない。
でも小さい子というのはちょっとした事でもすぐ泣いてしまうものだから、クラウドも例外ではなかったという事か。
『ええ。ちょっと躓いて転んでは泣く、夜一人で寝るのが寂しいと泣く、お稽古事が嫌だったり上手くいかなくては泣く、そんな子だったんです』

それは・・・小さい頃の私と似ている気がする。
私の場合、今も泣いてしまう事があるんだが・・・。
クラウドは初めて会った時に昔っから泣き虫だなと私に言ったけど、自分も泣き虫だったんじゃないか。

これは弱みになるかもしれない・・・。

私は心の中でほくそ笑んだ。


『それがある日を境に少しずつ泣くことなく、自立していくようになりました』
「ある日・・・」




『恐らくそれはクラウド様が初恋をした瞬間なのでしょう』