リナリアの王女

 『なるほど。それで恥ずかしくてクラウド様と顔を合わせづらいという事ですね』
流石同じ恋する女の子同士ちょっとした乙女心を理解するのが早くて助かる。


「そうなんです・・・」


説明していても朝の記憶が鮮明に蘇ってしまい恥ずかしくてつい敬語になってしまった。
『ずっと探し求めていた女性がやっと現れて、嬉しくてついスキンシップが激しくなってしまうクラウド様のお気持ちも分からなくはないですが、流石にちょっと今回の事は行き過ぎですね・・・』
サラちゃんはクラウドの気持ちも分からなくはないと言ったが、それに対して私がとってしまった行動を咎める事はなかった。

「私もね、クラウドに軍手を投げつけちゃったのは良くなかったって思ってるんだけど、でも私から謝りたくないっていうか・・・」
非があるのは私なんだから、私から謝らなくてはいけないと勿論分かってるんだけど。
『確かに、軍手を投げつけてしまった事は謝らなくてはいけないと思いますが、エリーゼさんの気持ちも分かります』
好きな人にそんな事されたら誰だってパニックになっちゃいますよね、とサラちゃんは言ってくれた。

「そうなの。あの時はかなりパニックになっちゃって」
『クラウド様にももう少しご自重していただく良い機会かもしれませんね。エリーゼさんの気持ちが整理出来るまで少し距離を置いてみるのも良いんじゃないですか?』


私の気持ちの整理がつくまで・・・。


確かに、今回の事は私が謝れば解決するわけなんだから、気持ちが落ち着くまで少し距離を置くのも良いかもしれない。
『それまではここで食事をしても構いませんし、もしクラウド様がいらしても私が上手く説明しますから』
「そんな事をしてサラちゃんは大丈夫なの?」

次期国王に対して反抗してしまってはサラちゃんの立場が悪くなってしまうんじゃないだろうか・・・?

『問題ないですよ。私はエリーゼさんの専属の侍女です。最優先すべきはエリーゼさんの意見です。それに、友達が困っているんですから当然です』
クラウド様にも乙女心を少しは理解していただかなくては!とサラちゃんが言ってくれた。
私はあんまりにも頼りになるサラちゃんに感謝した。