リナリアの王女

 「サラちゃんにちゃんと手当てをしてもらうから!クラウドはわざわざ手当てしてくれなくても良いわ!!」

慌ててクラウドに答えた。
少しでも悩んでしまったら、クラウド直々に手当てをしてもらう事になってしまう気がしてつい早口になってしまった。

常々スキンシップの激しい人だとは思っていたが、少し身の危険を感じてしまった。

私がクラウドの事を好きになるまで待つ言ったくせに、全然待ってくれていない気がする。


・・・いや、クラウドの事は好きなんだけど。


でもまだクラウドにはその事は伝えてないし、もっとゆっくり、この気持ちが大きく育つまでクラウドに告げる気はないのだ。

「俺が手当てしても良かったんだが、残念だな」
「クラウドに手当てをしてもらったら何か危ない気がするから結構よ!」
私がそう言うと、
「その判断は間違いじゃないから賢明な判断だな。でもエリーゼも嫌ではなかっただろう?」
クラウドはまた意地悪い目をしながら聞いてきた。


嫌ではなかった?


・・・なんて事聞くのよ!!


怒鳴りつけたい気持ちを抑えないとクラウドの思う壺な気がする。が、


「クラウドなんてしらないわ!私は先に帰ります!!」


私は恥ずかしさに耐える事が出来ず、軍手を外してクラウドに投げつけ、バラの入った籠を持って走って自分の部屋に帰った。

「少しからかい過ぎたか」

クラウドが笑いながら投げつけられた軍手を拾ってそう呟いている事など知らずに。