リナリアの王女

 単純に・・・クラウドに食べてもらうからこそこんなにも悩んでしまうのかもしれない。



隠す事もしようとせずに私に対して示してくれる愛情。

それを嫌だと思っていないからこそ、彼にどう思われるか、失望されないか、それが気になってしまい、差し入れを持っていくだけでこんなにも思い悩んでしまうのではないだろうか。


つまりそれは、やっぱり私もクラウドに好意を抱いている可能性が大いにあるというわけで・・・


好意を抱いている男性に手作りのお菓子を食べてもらう事は私にとってはとても勇気がいる事なわけで・・・
そう考えていると段々と自分の頬が熱くなってくるのを自覚する。




「私ってクラウドの事を・・・」




おそらくはそのうち、私はクラウドの事を好きになるだろうとは思っていた。
だがしかし、これはいくらなんでも早すぎないだろうか・・・?
第一、私はまだクラウドの事をほとんど知らないのだ
彼は私の事を見て知っていたかもしれないが、私が彼について知っている事といえば、この国を治める国王となる立場の人で、心優しく、私の為にと始めたバラ園のバラの手入れを自らやっていて、お茶会では常とは違い少し穏やかになるという事だけだ。





「あれ・・・?」





確かに私がクラウドについて知っている事は少ないだろう。
国を治めるにあたっての仕事の内容なんて全然知らない。


だけど彼の人となりは・・・?
本当に全く知らない?


数少ないクラウドに関する事だけで考えてみても、悪い人ではない事は分かる。