リナリアの王女

 「ふぅ・・・あとは焼けるのを待つだけね」

あれから黙々とお菓子を作り、今は焼き上がるのを待つ間に使った器具の後片付けをしている状態だ。
特に問題なく作る事が出来たはずなので、味も大丈夫だろう。

サラちゃんから聞いたが、あの準備をしてくれた人はやはり、このお城のシェフさん達をまとめるシェフ長だったらしい。
あのシェフ長さんが、色々とトッピングなどを用意してくれていたので、プレーンからチョコ味、イチゴ味に抹茶味など作る事が出来た。

「作ってる間に楽しくなっちゃってつい沢山作っちゃったんだよね」

とてもではないけれど、お茶のお供にするには量が多すぎる。
「サラちゃんにあげてもまだ残っちゃうよね・・・」
もう少し考えて作ればよかったと思っても後の祭りだ。
まぁ、焼き菓子だから慌てて全てを食べてしまう必要はないが、やっぱり時間が経つと美味しくはなくなっていくだろう。


「どうしよう・・・」


そこで私はふとクラウドの事を思い出した。
彼は今でもあの執務室で仕事をしているのだろう。


お茶とお菓子を差し入れに行ってみるのはどうだろうか。


彼が仕事をしている姿も見てみたいし、初めてお茶会をした時に、その間はどこか肩の力が抜けていたように感じた。
私が分かっていないだけでお仕事はとても大変なのだろう。
だったら、差し入れをして少しでも休む時間を作る事は出来ないだろうか?

「うん、味見をしてみて不味くなかったらクラウドにも持っていこう」

流石に美味しくないものを差し入れするわけにはいかないから、その時はこの大量のマドレーヌは責任を持て全て私のお腹の中に入れよう。