―コンコン―
「エリーゼ、俺だが入っても良いか?」
どうやらクラウドが迎えに来てくれたようだ。
「入っても大丈夫だよ」
私がそう言うとサラちゃんがサッと扉を開けた。
「おはよう、エリーゼ。準備は終わったか・・・?」
そう言いながら部屋へと入ってきたクラウドは、数歩進んだところでその歩みが止まってしまった。
私を見て少し目を見開いている。
やっぱり似合わなかっただろうか・・・?
どうしようもなく不安になってきた。
「どうしたの、クラウド?やっぱりこの格好似合わない・・・?」
勇気を出して聞いてみた。
時間があれば着替えれば良いのだから。
「いや、すまない。その・・・良く似合っている」
少し目線を逸らしてクラウドはそう言ってくれた。
クラウドの顔をよく見てみると少しだけ赤くなっているのが分かった。
・・・もしかして照れてる・・・?
分かった途端、私まで顔が赤くなってしまった気がする。
「そ、そう?ありがと。サラちゃんが見立ててくれたのよ」
「サラと仲良くなれたようだな。年も近いからとサラを専属の侍女にして正解だったな」
少し目を細めて優しく笑いながらそう言ったクラウド。
この人はやっぱり私の事をしっかりと考えてくれているんだ。
「サラ、エリーゼはこの世界に知り合いもいないし、仲良くしてやってくれ」
『もちろんです、クラウド様。エリーゼ様がお困りになる事のないようにサポートさせていただきます』
「頼んだぞ。じゃあ、エリーゼ。そろそろ行こうか」
サラちゃんと話し終えたクラウドは私にそう言った。
お城の人達に会うのよね・・・大丈夫かしら・・・。
不安と緊張がまた襲ってきた。
サラちゃんが名前を言うだけで良いって言っていたものね。
何とか乗り切れるよね・・・?
「ええ、行きましょうか」
私が了承するとクラウドが私に近づいてきて腰に腕を回してきた。
慣れていない私にとってはとても恥ずかしいのだが、エスコートをしようとしてくれている事は分かったので何も言わなかった。
慣れないヒールの靴の音を鳴らしながら私はクラウドと共に歩き出した。

