「貴方は?」


『え?』


「舞踏会、行きたいと思わないの??」




貴方だって立派な女性でしょ?

そう尋ねれば今にも泣きそうな顔をして、笑った。



「…………っ、」



その表情がどれだけ美しく、わたしには見えたか。

切なそうで、悲しそうで。

まるですぐ消えてしまいそうな表情。





『私こそ、行けるような人ではないです』



けど、彼女はちゃんとわたしに聞こえる声でそう言った。