こんなお葬式【長篇】

彼女達は本来、「仕事」の為にだけ来ているのだ。

何の得にもならず、何の恩義もない。
沢山の中の一つのお通夜……。

手にはお茶まで入れてくれていた。あげく毛布まで用意しながら、

─男の人は気が利かへんからごめんなさいね。

と、朗らかな優しい冗談で場を和ませ、そっとおばあさんの膝にそれをかけてくれた。

おばあさんは察したのか、僕をちらりと見た後、二人に笑顔で会釈した。