こんなお葬式【長篇】

以前、霊魂が蝋燭に宿り意思を表現すると言う事をどこかで聞いた事があった。

オカルトや迷信等には特に興味のない僕ではあるけれど、たまには信じてみたい瞬間もあるのだ。

風の通らない部屋の中、本当に……高く、火柱が揺れたのを見ると。


しかし驚いたのは僕一人で、おばあさんに説明しても、ただ嬉しそうに少し微笑んで頷いただけだ。

しかし、信じていないのでも、聞き流しているのでもない。ただじっと、その炎を見つめていた。


細く……。
高く……。
揺れる炎を。