こんなお葬式【長篇】

まるでずっと側に寄り添いながら、二人で話でもしていたかのような空気が部屋には溢れている。

奇妙な言い方ではあるが、そこには生と死を越えたお似合いのカップルが居るかの様だ。

─お焼香はお済みになられましたか?

二人の間に割って入る気がして、恐縮しながらも伺うと、

─どうやってしたらいいかわからんかったから……。

そう言いながら、おじいさんの顔に目をやるおばあさん。