こんなお葬式【長篇】

軽くノックをしてドアを開けると、おばあさんは棺の前に膝をついて座っていた。

棺には小いさな窓が付いており、開けるとちょうど顔の位置にくる様になっている。

おばあさんは小窓から、おじいさんの顔を覗き込むような姿勢でこちらを振り向いた。

─どんな顔してはるのかなぁと思って……。

少し照れくさそうにそう言いながら、こちらに向き直るおばあさん。