こんなお葬式【長篇】

様々な事を考えながら社に戻った僕は、
上司、先輩、同僚、式を彩る役目の女性スタッフに声をかけた。

通夜はしかたないとしても、葬儀に僅かでも参列してほしかったからだ。

葬儀社は、誰かが亡くならないと仕事が発生しない。
法要等の予定でもなければ待ちの体制である。

病院や町会を回る等の営業活動はあるが、常に外出を余儀なくされる外回りの営業がメインではない。

仕事が入る時は一晩で何件もの電話が鳴るので、暇な日は何人も会社に居たりするのだ。

当日の式でも入っていなければ、割合時間的に融通も利くのである。

実際、参列はしなくても式の補助等にお互いに行き来するので、合間を作る事は容易だった。