こんなお葬式【長篇】

僕らの後を、やはりゆっくり踏みしめながら着いて来るおばあさん。

─では今からこちらのお部屋を使用して下さいね。今夜は通夜になりますけど、お式はないんで時間なんかは特にありませんから。

おばあさんは深々と頭を下げた。棺の横に寄り添って……。

─出来るだけゆっくりなさって下さいね。

そう言い残し、棺の横にぺたんと座るおばあさんに後ろ髪を引かれながら、僕達は会館を後にした。

直接会社にはまだ戻れない。役場で火葬の認可をもらい、その後で火葬場へそれを届けなければいけない。

その道中、僕はずっと考えていた。