こんなお葬式【長篇】

僕は慌てて車から飛び降り、すぐに坂道を駆け上がった。

─傘もささんといったい何を忘れたんですかぁ!しかもこんなに沢山。とりあえず濡れてしまうんで急ぎましょう。

荷物をひったくって、おばあさんに傘を広げて渡した。

─あぁ、重かった……。

おばあさんは、屈託なく笑いながら車に乗り込み、はぁっと息をつき達成感を露にした。

幾度となく僕を動揺させるおばあさんは、またしても心を揺さぶらせるのだ。



紙袋の中身。