こんなお葬式【長篇】

詳しく意味合いを語るとやはり宗教じみた感があるが、故人に対しての供養的な意味合いと、親族に対してのもてなしの意味合いで、現在は後者の色の方が強い。

もちろん食事なのだから昼食の代わりに自動的になるが、本来の意味とは趣旨が外れるのだ。

しかしこの料理の料金が高く、良く使用する仕出料理屋では、一番安くても3000円以上する。

普通の食事として考えれば、高級料理が食べられる様な金額だ。

なので、ただの食事としか考えられない場合、ここで遺族から打合せのストップがかかり、内輪での相談が始まるのだ。

親族が多い場合等、通夜料理等を含めると料理だけで何十万とかかってしまう。

ここでも『見栄』感情が絡んでくるのである。

みすぼらしい料理は出せない……と感じる親族や、たかが昼飯に……と感じる親族。
ましてや、葬儀費用を捻出する施主と、ただ口だけを出す親族では価値観すら違うのだ。