こんなお葬式【長篇】

僕は部長に、「思ったようにしたい」旨の了承を得ると、急いで安置室に戻った。

─故人様の処置が終わり次第、すぐに打合せさせていただきますね。

─はぃ、私打合せゆうても何もわからへんから、お任せするしかないんですけども……。

一番葬儀社にとっては都合の良い客である。予算があれば……の話。

─それにしても、すごい綺麗にしてもらえるんやねぇ。

故人への処置の事である。

ドライアイスを隠しながら、まるで装飾を施すように綿を重ねて行くのは随分練習させられた。

これが出来ないと、何も仕事にならないのだ。