こんなお葬式【長篇】

見積り書を見た後、予算との違いに抵抗する遺族も多い。
当たり前だ──。

しかしそんな時は、

─オプションみたいな物で当社の売上げとは違います。削っても結構ですけど、少し不自由すると思いますよ。

等とうそぶくのである。

本来なら、祭壇費用で予算の調整をすべきなのだ。

仮に予算を100万とする。

必要な経費に、祭壇以外でおよそ60万かかるとする。

そしてそれは葬儀社はおよそわかっている。

その上で、50万、65万、80万、100万、150万の祭壇カタログを見せるのである。

予算を聞かれた後すぐに祭壇の話に入るので、なるべく予算内で、良いものを選びたくなるのが人である。