こんなお葬式【長篇】

そうこう言っている内に、会館にはすぐに到着。会館は会社からもすぐの場所である為、当然病院からも僅かな距離だ。

一先ずはおばあさんの“気掛かりな”言葉も頭の片隅に置いて、いよいよ『葬儀屋』としての仕事が始まるのである。


会館は、

一階に大中二つの式場と事務所。

二階には大中二つの控室と、四畳半程度の畳間が三つ。
この内二つを安置室兼控室に、もう一つを、寺院控室に使用していた。

さらに六畳程の畳間が一つ。

ここには小振りの祭壇が設置されており、少人数の家族葬や市営葬、福祉等で使用していた。

道中、電話で会館へ連絡していた為、
宿直の田下さんが会館の前に立って待っていた。

田下さんは、夫婦で会館に住み込み、管理人的な存在のおじいさんだ。