会館へと向かう道中、おばあさんは先程の決意めいた口調とはうって変わり、雑談の様に、そして思い出したように話し出した。
─お葬式はいつからですか?
死後24時間が経過しないと、火葬が出来ない事になっている。
なので、深夜早朝の場合は、早くても明けてその日の夜に通夜。その翌日が葬儀になる。
─式は明日になりますね。
僕が答えた。
僕の口調も通常のそれに変わっていた。
と言っても、自分の中で気持ちが普通になっただけで、乗車後初めてしゃべったのだ。
─どうしても、丸一日は空いてしまいます。
─良かったぁ。あの、会館からは外出しても良いんでしょうかねぇ。
と、おばあさん。
─構いませんよ。ただ、何かある場所までは少し歩きますけどね。
─駅まではどの位ありますの?
─駅はねぇ、少しありますよ。歩いて20分位です。
─そうですか。自宅へ戻って来たいんです。忘れ物思い出してしまって……。
僕は一つ一つの言葉が、どうにも気にかかるのである……。
─お葬式はいつからですか?
死後24時間が経過しないと、火葬が出来ない事になっている。
なので、深夜早朝の場合は、早くても明けてその日の夜に通夜。その翌日が葬儀になる。
─式は明日になりますね。
僕が答えた。
僕の口調も通常のそれに変わっていた。
と言っても、自分の中で気持ちが普通になっただけで、乗車後初めてしゃべったのだ。
─どうしても、丸一日は空いてしまいます。
─良かったぁ。あの、会館からは外出しても良いんでしょうかねぇ。
と、おばあさん。
─構いませんよ。ただ、何かある場所までは少し歩きますけどね。
─駅まではどの位ありますの?
─駅はねぇ、少しありますよ。歩いて20分位です。
─そうですか。自宅へ戻って来たいんです。忘れ物思い出してしまって……。
僕は一つ一つの言葉が、どうにも気にかかるのである……。



