こんなお葬式【長篇】

降りる間際、何か言葉をかけたかったが都合よく良い言葉が見当たらない。

─忘れ物はないですよね。いたらなかった事はなかったですか?

そんな当たり前の質問をおばあさんに投げかけた。

僕は次に返ってくるであろう、お決まりの「はい。ありがとうございました。」という回答が返り、こちらもまたお決まりの返事をして、仕事が終わるものだとばかり思っていた。

しかし……。


─……あの、……。