こんなお葬式【長篇】

おばあさんのささやかな願いは叶える事が出来た。

会社に対して多くの利益を残せず、何でもない一つ小さなお葬式が終わっただけではあるが……、


長く、大きな仕事をしたような気もしていたのも事実だ。

いや、もしかしたら導かれたのは僕の方かも知れない。

そんな事を考えながら、最後の目的地であるおばあさんの自宅へ車を走らせた。

各々のせつなさを雨音が包む。