こんなお葬式【長篇】

全ての“おじいさん”を手元に取り戻し、また二人の雰囲気に満ちたおばあさん。

外にでると雨雲が空を覆い、今にも降り出しそうな天気になっていた。

─あらあら、雨が降ったらせっかく天国に昇ったおじいさんの煙が戻って来てしまうなぁ。

いつから泣き上戸になったのか、と自分で疑問に思う程、一挙手一投足、一言一言が胸を突く。

おばあさん自身は至って無邪気な顔をしているのが尚更せつないのだ。