こんなお葬式【長篇】

─武本さん、出発の時間ですよ。武本さん。

束の間の休息の時間。
本来なら持て余す時間ではあるが、この健気に振る舞うおばあさんにとっては僅かに足りない。

しかし、これから行われる「お骨上げ」の変わりが出来る者は居ない事を知る同僚が、優しく声をかけた。

疲れきった体は、目を覚まそうとはしてくれない。

溜まった疲れが一気に出たのか、緊張の糸が切れてしまったのか……無理もない。

看病の苦労も、
死後の困惑も、
今後の孤独も、

全て一人で背負い込まなければならないのだから……。