こんなお葬式【長篇】

仕出屋時代は、直接葬儀“そのもの”に関与する事はないに等しかった。

料理の枠の中での仕事だからだ。

それでも祭壇に飾られた写真を見て、今回の葬儀の故人の顔を見た時等、やはり少し沈んだ気持ちになる事は多々あったのだ。

小さな子供の笑顔の写真。

若い奥さんの写真の前で塞ぐ旦那さん…と、その後ろに座る子供。

時には二名の写真が飾られ、その二人が兄弟である事等。

写真に写った故人の顔は、皆とても健やかな素晴らしい表情をしている。

しかし、式場には立っている姿はないのだ。