こんなお葬式【長篇】

昨日の通夜同様、不慣れな手付きで焼香をあげるおばあさんは、一度だけおじいさんの写真を見て席に戻った。

それを見て、また思考が勝手に動いてしまう。

(何を思ったんやろうか……。)と。

しかし、ひたっている訳にも行かない。
ここで、おばあさんの頭の予定にはない次のセリフ。

─それではここで、弔電を拝読させて頂きます。


社長の配慮である。