都合のわるい女

「………とりあえず、出るか」



「近所迷惑もいいとこだもんね」



俺とタカハシは、肩を並べて階段を降りはじめた。


ひさびさにこうして歩くと、なんつうか、やっぱり、しっくりくる。



「………そんで、お前、返事は?」



にやにやしながら問うと、タカハシが「それ訊く?」と嫌そうな顔をした。



「そりゃあ、訊くよ。
俺、ナイーブだからさ。
このままじゃ蛇の生殺しだろうが」


「どこがナイーブよ」


「男はみんなナイーブなんだよ」


「よく言うわ」


「いいから、返事きかせろ」



タカハシが足を止め、一段下から、俺を見上げる。


まだ顔が赤い。


でも、必死に取り繕った表情を浮かべ、



「ま、ニッシーがそんなに言うなら、付き合ってあげないこともないけど?」



と高飛車に言った。