都合のわるい女

その瞬間、タカハシが、ぶはっと噴き出した。



「あははは!!

ニッシー、顔まっか!!

ちょっと、燃えないでよ!?」



「そりゃ、こっちのセリフだよ!!」



「ニッシーのほうが赤いもん!」



「いーや、お前なんて茹でダコもびっくりの赤さだぞ!」



「なによ、ニッシーなんか完熟トマトもびっくりの赤さだからね!」



「いやいやいや、お前は唐辛子もびっくりの………」



「あんたなんか、さるぼぼもびっくり………」



言い合いながら、ふいに、二人で顔を見合わせた。



講義棟の階段の踊り場で、俺たち、なにを叫び合ってるんだ?


間抜けにも程がある。



ぷっ、と、どちらからともなく噴き出した。


そして、くすくすと笑い合う。