都合のわるい女

「このアル中女め。
あんまり飲み過ぎんなよ?」



俺は動揺を隠すように目を逸らし、ため息とともに呟いた。



「さっすがニッシー! 話わかる〜」



タカハシは心底うれしそうに笑顔の花を咲かせた。


アパートの近くのコンビニに入ると、タカハシは酒コーナーに直行した。


缶ビール4本と、600円の赤ワイン一本。

どんだけ飲むつもりだ、この馬鹿女。


俺は缶ビール2本を丁重に棚に戻した。


タカハシはぶうぶう言いながらも、おつまみコーナーに移動する。


サラミとチータラとミックスナッツをカゴに入れると、タカハシはレジに向かった。



俺は財布の中身を確かめ、バイト代が入ったばかりで裕福なことに気づいて安堵し、「おごるよ」と千円札を3枚出した。


すかさずタカハシが、



「いいって、割り勘で!」



と俺に千円札を2枚突き返した。