都合のわるい女

人の気も知らねえで、とまたもや毒づきたくなったが、俺は結局、タカハシには逆らえないのだ。


タカハシは慣れた足どりで俺のアパートに向かって歩き出した。


千鳥足で歩くタカハシが危なっかしくて、俺は小走りで追いついて隣に立つ。



「タカハシ、転ぶなよ」


「だーいじょぶだって」



とか言いつつ小さな段差につまづいたタカハシの腕を、俺は思わず掴んだ。


タカハシはそのまま俺の腕に手をからめてくる。


ふよふよとした二の腕の感触を肘のあたりに感じて、どきりと胸が高鳴った。


くそ、ほんとにこいつ、人の気も……(同上)。



「コンビニでさー、お酒とおつまみ買って帰ろ〜」



タカハシが俺を見上げてにこりと笑う。


頬に浮かんだえくぼが、くそ、やばい、………かわいい。