都合のわるい女

タカハシが唇を尖らせて、



「悪かったわねぇ、べろべろで。

ニッシーがちゃんと介抱してくれるって分かってるから、ついつい飲み過ぎちゃったの」



………なんて可愛いことを言いやがる。


俺は「ばーか」とタカハシの頭を小突いた。


そんなこんなでぶらぶらと歩いているうちに、最寄り駅に到着。



「ほら、着いたぞタカハシ」


「えー、もう? はやーい」



………なんで早く感じたんだ?

なんてことを訊く勇気は、もちろん俺にはない。


絶対に殴られるからな。



「ところでニッシー、いま何時?」



タカハシが訊ねてきたので、俺は腕時計を確かめる。

暗闇の中で、蛍光塗料の塗られた針が浮き上がった。



「11時46分」と答えると、タカハシが


「えっ、マジで!? 終電おわってる!」


と叫んだ。