都合のわるい女

タカハシを見ると、その目がとろんと据わっている。



「お前なぁ、飲み過ぎだよ。
顔まっかだぞ。目ぇ据わってるし」


「悪いかー!」


「悪いっつーの!
どうせ俺が介抱する羽目になるんだから」


「なによー、嫌なのー?」



タカハシが頬を膨らませ、少し下唇を出して俺を睨む。


その表情に、俺は思わずぐっと言葉に詰まってしまった。



タカハシは普段、どっちかというと男っぽいさばさばとした性格なのだが、

酔っぱらうと急に、こういう子どもっぽい表情や仕草をするのだ。


それが、いかにも女の子って感じで、まあ、つまり、可愛いのだ。



この顔をされると、俺はどうも、タカハシに逆らえなくなってしまう。



「……べつに、嫌とかじゃねえっつうの」



俺が呟くと、タカハシが満足気に微笑んだ。