「藤井…?」 大学を卒業後、中堅クラスの食品関連会社に就職して2週間。 研修が終わり、配属された部署に朝一番に来て掃除をしていた時。 不意にかけられた声に振り返ると。 「――っ!」 入り口で片手に缶コーヒーを持ったまま立ち尽くす背の高い男が1人。 こっちを凝視していた。