竜王華伝 (完)

あたしなんかに、時間をかけてほしくないんだ。

あたしは、あの家に戻る来もないし。

鈴さんちに、居座るわけにもいかない。


「お姉ちゃんは今でも嫌いだよ。

お母さんも。

だからこそ、鈴さんに迷惑はかけられない。お荷物もイヤ。

でも、仕方ないとも思う。

こんな家に生まれてきちゃったからね」


―シーン…

「ちょ、なんでそんなに暗いの?」

「寂しかったな。」

竜二さんが言った。