*仁華side*

おかしい。

僕は、どうしちゃったんだろう。

笑顔に…なれない。

「仁華っ!」

「…あぁ。仁那か。」

「らしくないね、仁華。桃っちの前で。」

「…笑えないんだ。
仁華。って言われたとき…、杏樹とシンクロして。僕が僕であるために、杏樹のことを桃葉の前では蓋しようって。なのにっ!」

「できないんだね。」

そう。

僕は、杏樹が好き。親友として。

それが変わることはないよ。

でも、でも。

だから、桃葉を好きになることが怖い。